母音と声帯筋の特性

母音と声帯筋の特性について

母音の特性を理解しておくことで、
発声練習や歌唱練習の中で起こる

  • 声が出にくい
  • 特定の音や言葉だけ詰まる
  • 高音になると喉が苦しくなる

といった問題の原因を探りやすくなり、改善へのアプローチが明確になります。

「高音が苦手」「喉が弱い」と一括りにせず、
どの母音で・どの筋肉が・どう働いているか
を見ることが重要です。


母音によって働きやすい声帯筋は異なる

日本語の母音は、
それぞれ声道の形や舌の位置が異なるため、
声帯筋の使われ方にも違いが出やすくなります。

一般的に、

  • 「あ・え」
    地声系の声帯筋(地声筋)が働きやすい
  • 「い・う・お」
    裏声系の声帯筋が働きやすい

という傾向があります。

そのため、
地声寄りになりやすい母音ほど、
喉に力が入りやすくなるケースも多く見られます。


発声が難しい母音への具体的なアプローチ例

たとえば、
『あいしてる』という言葉の中で
「あ」だけが発声しにくい場合を考えてみましょう。

この場合、

  • 「あ」で地声筋が強く働きすぎている
  • 喉で音を作ろうとしている

可能性があります。

そこで行うアプローチの一例が、

  • 裏声発声で使いやすい
    **「い・う・お」**の母音を使った発声練習
  • 裏声発声から
    「あ」の発音へなめらかに繋げるエクササイズ

です。

このように母音を使い分けることで、

  • 喉声の軽減
  • 無駄な力みの解除
  • 声帯の使い分けの学習

につながるケースがあります。


改善が見られない場合に確認するポイント

もし母音の切り替えだけで
あまり改善が見られない場合は、
他の要因が発声を妨げている可能性を考えます。

確認すべきポイントとしては、

  • 顎関節の動きや力み
  • 口の開きすぎ・開かなさすぎ
  • 舌の位置(特に舌根)
  • 鼻音への入り方や鼻腔共鳴の不足

などがあります。

これらは一つだけが原因の場合もあれば、
2つ、3つが同時に重なっていることも少なくありません。


発声改善は「一つずつほどいていく」

発声の問題は、

  • どれか一つを直しただけで
    大きく改善することもあれば、
  • いくつかの要素を
    少しずつ整えていく必要があることもあります。

母音・声帯筋・共鳴・口腔の使い方などを
一つずつ確認し、調整していくプロセス
発声改善の基本になります。


まとめ

発声改善は「探す」「調整する」プロセスそのものが大切

母音ごとに声帯筋の働きやすさは異なる

出しにくい母音は、別の母音からアプローチできる

改善しない場合は、他の要因も含めて確認する

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