声帯の閉鎖筋と開く筋肉について 〜ボイトレ解剖学〜
ボイストレーニングを行う際に、発声に必要な筋肉を把握することでより効果的にボイストレーニングの効果を得ることができます。今回は主な声帯主な声帯閉鎖筋と声帯を開く筋肉について
〜声帯コントロールの基礎構造〜
発声において重要なのは、
声帯を「閉じる力」と「開く力」のバランスです。
声帯は閉じるだけでも、開くだけでも成立しません。
これらを喉の力ではなく、声帯の筋肉でコントロールできることが、
安定した発声やミックスボイス習得の土台になります。
声門を閉じる主な筋肉(声門閉鎖筋)
まずは、声帯を引き寄せ、
声門を閉じる役割を持つ筋肉です。
① 甲状披裂筋(こうじょうひれつきん)
役割
- 声帯を内側に引き寄せ、声門を閉じる
構造
- 甲状軟骨と披裂軟骨の間に位置する筋肉
この筋肉は、
声帯の厚みや密着感に大きく関わり、
地声感・芯のある音色に影響します。
② 披裂筋(ひれつきん)
役割
- 披裂軟骨同士を引き寄せ、声門を閉じる
構造
- 披裂軟骨の間を結ぶ筋肉
声帯後方の隙間を閉じる働きがあり、
息漏れを抑えるために重要な筋肉です。
③ 外側輪状披裂筋(がいそくりんじょうひれつきん)
役割
- 披裂軟骨を内側に引き寄せ、声門を閉じる
構造
- 輪状軟骨と披裂軟骨の間に位置する筋肉
声帯全体の閉鎖をサポートし、
発声時の安定感に関わります。
④ 横披裂筋(おうひれつきん)
役割
- 披裂軟骨を内側に引き寄せて声門を閉じる
構造
- 披裂軟骨同士を横方向につなぐ筋肉
後方の閉鎖に関与し、
声帯の隙間を減らす役割を担います。
子音による声帯閉鎖の調整
発声では、
- Gu
- Zu
- Ba
など、
子音によって声帯が閉鎖しやすい音があります。
ただし、
- どの程度閉じるか
- どれくらい密着させるか
は、子音ごとに異なります。
さらに、
声帯の状態は人それぞれ違うため、
子音を使って声帯閉鎖のバランスを調整する
という視点がとても重要になります。
声帯を開く主な筋肉
声帯を閉じる筋肉がある一方で、
声門を開く役割を担う筋肉も存在します。
後輪状披裂筋(こうりんじょうひれつきん)
役割
- 披裂軟骨を外側に引き、声帯を開く
- 声門を広げ、空気の通り道を作る
構造
- 輪状軟骨の後面から披裂軟骨にかけて存在する筋肉
機能
- 主に呼吸時に働き、
空気が自由に出入りできるようにする
この筋肉は、
声帯を開く唯一の筋肉であり、
発声においても非常に重要な役割を持っています。
声帯を開く発声練習の一例
声帯を開く発声方法の一つとして、
低い裏声のファルセットがあります。
これは、
- 声帯を過剰に閉じない
- 開く方向の動きを作る
ための練習として有効です。
声帯は「閉じる」だけでなく「開く」ことも重要
発声では、
- 声帯を閉じること
だけでなく、 - 声帯を適切に開くこと
の両方が必要です。
どちらか一方に偏ると、
- 喉声になる
- 声が薄くなる
- ミックスに繋がらない
といった問題が起こりやすくなります。
喉を使わず、声帯だけで開閉できることが理想
理想的なのは、
- 喉の力を使わず
- 声帯そのものの筋肉で
- 開閉をコントロールできる状態
です。
これにより、
- 発声の安定
- 音域の拡張
- ミドルボイス・ミックスボイスの習得
へと繋がっていきます。
まとめ
- 声帯には閉じる筋肉と開く筋肉がある
- 閉鎖筋は音の芯や安定感を作る
- 後輪状披裂筋は声帯を開く唯一の筋肉
- 子音で閉鎖バランスを調整できる
- 開閉のバランスが発声の質を決める
これらの筋肉が協調して働くことで、
声帯は効果的に閉じられ、
振動しやすい状態が作られます。
ぜひ、
「声帯をどう閉じているか」だけでなく、
「どう開いているか」
という視点も持ちながら、
発声トレーニングを行ってみてください。




